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自然と人間の営みが醸しだす「居心地のよさ」が湘南・鎌倉の魅力



私の住む鎌倉・湘南の絵を数多くを描き、いざこうして本になってみると、どの絵にも共通して描かれているものがあることに気がつきます。それは自然です。



田舎育ちの私が退屈な故郷を離れ、就職のため憧れの東京で住むことになりましたが、そのうちに都会のコンクリートジャングルに居たたまれなくなり、息苦しさで窒息しそうになりました。

「そうだ! オレには都会暮らしは無理なんだ!」と、逃げるようにこの地に移り住んでから30年以上経ちました。

この出版を企画するにあたり、私の住む鎌倉・湘南の「居心地のよさ」を表現できないかと模索している中で、鎌倉・湘南の魅力の根底に「自然」があり、それと人間の営みとの絶妙の調和の中から、居心地のよさが生まれることを発見したのです。

だからこの本のすべての絵に、海があり、山があり、緑の木々があります。古寺や江ノ電なども登場しますが、それらは長い年月を経て自然と一体になった自然物そのものに見えました。

東京からほんの1時間も電車に乗れば到着してしまう鎌倉・湘南には、長い歴史と伝統があり、芸術家や文化人を数多く輩出した文化的土壌です。サーフィンやヨットを楽しむ海海にルビでシー)レジャーの地でもあり、リゾート地でもあります。そのうえ、いつかは住んでみたいと多くの人々が思う憧れの地でもあります。その魅力はどこにあるのでしょうか。

「豊かな文化的風土は、豊かな自然環境があってこそ成り立つもの」。私はそのことをこの本を通じて伝えたかったのです。
たとえば湘南・鎌倉の人たちは、自然保護にとても敏感です。
環境保全や、美化キャンペーンへの市民ボランティア参加者も多く、自然破壊につながるマンシヨン建設などには、住民こぞって反対運動が起こります。

排他的とか過敏とまでいわれるほど環境への意識が高い理由は、ここに長く住む住民が自然の価値を充分すぎるほど知っているからです。そして一度破壊された自然は二度とは戻らないことも知っているからです。



鎌倉・湘南の人たちは、自然と共存している意識を持ち、自然のありがたさに感謝の念を持ちながら日々の生活を送っています。私はそんな鎌倉・湘南のごく当たり前の風景を描いたつもりです。
その当たり前こそに、「居心地のよさ」というライフスタイルの提案があるのではないかと感じています。


描き方のポイント
居心地のいい絵は、居心地のいい写真から
→詳細はP14「いい絵はいい写真から」参照



(宮川さん、2つの絵のどちらを使ってもけっこうです。お任せ)