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「トレース水彩画」秘伝その10  思い通りの色を作る

見本通りとはいかないまでも、近い色をつくるのすら苦手という初心者が非常に多いのですが、その苦手意識が、色づくりをより難しくしているようです。色作りの上達には苦手意識をなくすことが大前提です。

基本の4色でどんな色も作れる!

下の4色は基本の3原色+黒で、この4色を混ぜあわせればどんな色も作れます。
パソコンのブリンターのインクも4色(機種により+補正色)で、美しい映像をプリントできます。私たちの身の回りにある印刷物も、この4色の混ぜ合わせですべての色彩を表現しているのです。
たった4色であらゆる色を作れるのですから、私たちの水彩画の絵の具は12色、24色とあるわけですから、より簡単に正確な色を作れるのです。自信を持つことと、以下の色の出し方のノウハウを身につけましょう。


海の絵で実践!

絵の素となる写真ですが、魅力的な絵にするには、水面をいかに美しく表現するかにあります。






試し塗りをしながら混色する

色を作る(混色する)場合、具体的に見本となる色を写真の中からピンスポットで決めます。今回は水面の濃い部分(赤丸内の色)の色を作ることにします。
色見本となる写真を横に置き、写真と最も近い色を絵の具をパレットや皿に取り出し、それを紙に試しぬりして、不足している色を補正するための第2の色を混色します。

(濃淡の調整には水を加えます。決して白色を入れてはいけません。)
(左の写真の水面の濃い部分を赤丸で囲む)
見本に近い色+補正の色a+補正の色b・・・
の手順で、正確な色を作る

今回は見本に近い色@に、補正の色A、補正の色Bの3つの絵の具を混色し、下の絵の具を作りました。
Bの色は、ほんの少量の混色で調整しました。

混色をつくるための決まったルーチン(手順)を身に付けることが大切です。

(上の写真に↓と番号@ABをつける)
彩色スタート


どんな色でも必ず別の紙に「試しぬり」をし、納得してから塗るようにします。
その場合、色味だけではなく水との混色具合も吟味しましょう。





彩色の完成!

複雑に混色した中間色だからこそ、水の深みと水面の透明感がよく表現できたと思います。
ポイント

私は正確な色を出す訓練として、「黒+期+赤+青」の基本の4色だけでずいぶん絵を描きました。おかげでどんな色彩も自由に作ることができるようになりました。絵の具は12色や24色セットなどで売られていますが、色数が多いのはそれだけ容易に混色できるようにしたもので、基本はすべて同じです。
正確な色をつくるルーチン(手順)を身に付けましょう。