秘伝.13


風景画に人物や動物を入れると
俄然、絵が生き生きしてくる


TOPへ  目次へ  作品集へ

このシリーズは「塗る面積が少ないほど上手に描ける」と謳うように、省略したり、線画を描いても彩色しないことに力点を置いた展開となっていますが、今回はそれとは逆に、追加したり付け加えたりすることにより、絵をより魅力的にする方法をご説明します。

風景画の魅力は、自然と人の営みの調和ですが、ややもするとは自然が強すぎて、人の営みの雰囲気が弱い・もっと言えば殺風景でさびしすぎる風景の写真があります。
そんな絵に人物を絵の中に新たに入れることにより、俄然その風景に活力がみなぎり、生き生きとしてきます。
その描き方は、素となる写真に細工を施すことからはじめます。
別の写真から適当と思われる人物を探し出し、適当な大きさにプリントして、素となる写真に貼り付ける方法ですが、ノリでの張り付けは紙が二重と厚くなるため、抜き合わせで貼り付ける必要があります。


古民家とその井戸の絵を描きましたが、ちょっと物寂しいといいますか、何か足りない雰囲気ですね。











作品9-2






















その風景の中に一匹のネコを描き入れると、止まっている風景から風のにおいや小鳥のさえずりが聞こえる・・・そんな生きている風景が表現できたような気がします。



この写真には人物が写っていないため、時間が止まったように、眠ってしまった街のように見え、街の活気がイマイチ感じられませんネ。








作品.9-1




















この中に小さく2人の人物を入れました。それだけで俄然絵に活力が出てきたと思いませんか。
また、木の葉を増やしました。
それとは逆に左下の堤防を縮小し、水面を広くとりました。