秘伝.10

「ぼかし」のテクニックを使えば、
 雰囲気や空気感を表現できる


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「ぼかし」のテクニックは、画用紙の上にハケで水を塗り、濡れている状態のままで色を紙の上に落としていくことにより、色は自然の成り行きに従って広がっていき、乾くとともに定着する彩色方法です。
多色を同時に行えば、色同士が干渉しあう面白さもあり、ティッシュポーパーで濡れた部分を押さることで、色彩の濃淡をコントロールすることもも可能です。

彩色@Aの中で線描きはするものの彩色しないことを説明しましが、「ぼかし」はその逆で雰囲気や空気感を表現するために、線画による形ではなく透明水彩画の色合いで表現することになります。
このテクニックのコツは、最初に塗った水が乾ないうちに作業を終えるスピード感が大切で、事前に水に溶いた絵の具やティッシュペーパーなどの準備を万全にし、一気に描きあげることが大切です。




この絵のポイントはしっとりとした情感溢れる絵にすることです。
そのため絵全体に霧が覆うように、うっすらとでも灰色系で彩色する「ぼかし」のテクニックを使いました。



一応人物の彩色が終わったのですが、ちょつと間の抜けた絵になっているため、背景を「ぼかし」のテクニックで描くことにしました。
まず絵全体にマスキングフィルムを貼り、人物の部分を残してカッターで切り取ります。









作品7-2























人物をマスキングしたまま「ぼかし」のテクニックで背景を塗り、マスキングを剥がせば絵の完成となります。




春の浜辺で乗馬風景ですが、実際の写真は背景に海や船、遠景の山々などいろいろなものが写っているのですが、それらをトレースの段階から削除し、春のうららかさを表現したくて、「ぼかし」のテクニックで明るい色の彩色をしました。






作品7-1





















手前の乗馬を楽しむ情景をしっかり描いて絵の完成となりました。
背景は「ぼかし」だけで処理しましたが、その雰囲気が表現できたと思います。
















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