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子供は好奇心の塊


昼下がりの公園、
お母さんと子供が滑り台で遊んでいます。

滑り台ははじめてで、ちょっとこわがり屋さんなのか、
なかなか滑り降りることができませんでしたが、
お母さんの助けによって、ようやく滑り降りに成功しました。

そして二回・三回・四回・・・・回を重ねるごとに上手になり
声を上げて笑ったり、片手を離したりと余裕のすべりになってきました。

そのうち、予想もしないことをはじめました。

滑り台の滑り降り口から上ろうとするのです。
お母さんが叱るのも上の空、
上っては滑り落ち、上っては滑り落ちのチャレンジをはじめました。
してはいけないことをしていることを知りながら。

そうだよね、
人はしていいことと、してはいけないことをして
はじめて納得するんだよね。

※このお子さんの背景のぼかしの描き方を次ページで解説します

ぼかしのつくり方

水彩画は水の特性を利用して描く画法です。そのひとつとして「ぼかし」のテクニックがあります。
絵の具は乾いた画用紙の上に塗る、重ね塗りの場合でも最初の絵の具がしっかり乾いた上に塗り重ねるのが基本ですが、濡れている画用紙の上に塗る、前の絵の具が乾かないうちに塗るデクニックです。
肖像画の背景だけではなく、風景画で省略化するときにも使用し、実はこの本でも多様しているんですよ。


上は、緑の絵の具が乾いてから青い絵の具を塗り重ねたものです。
透明水彩ですから、塗り重ねた部分が濃いみどりの輪郭として残っています。


下は、緑の絵の具が濡れているうちに青い
絵の具を塗ったため、相互が干渉しあい、中間色として混ざり合った状態になりました。
「ぼかし」とはこのような塗り方をいいます。
今回の絵は幼い少女です。
自然いっぱいの中で太陽の光をサンサンと浴びてる、少女を描きたいのですが、具体的な背景を描かず、ぼかしで表現しようと思います。
ぼかす部分を事前にタップリの水を塗ります。
その上から青色を画用紙に置くように塗れば、自然な形で色が広がっていきます。
その上に別の色、緑と紫の色を塗れば、色は自然と広がるだけでなく、色と色とが自然な形で干渉しあいます。
背景の「ぼかし」の作業が終了しました。
この色彩にあわせて少女に彩色していきます。

絵が完成しました。
私は自然の息吹をイメージして「ぼかし」を描いたのですが、人それぞれ少女を主人公とする物語が連想されるようです。


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