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伝統を守ろうとする文化への意識の高さ

鎌倉の名所旧跡などの観光スポットは街のあちこちに点在しているため
観光客はそぞろ歩きながら街中を移動することになりますが、
その移動こそ、名所旧跡に引けをとらない見所となっているようです。

かやぶき屋根の風景を描きたくて、日本各地に旅をしました。
しかし多くのかやぶき屋根の風景は、時代に取り残された廃墟寸前の中にあり、
経済的にゆるされれば、新居の建て直しか、町への引越しかと、
負の遺産としての存在にしか見えませんでした。

しかし、
京都府美山地区かやぶき屋根の家は
これまでと違っていました。
美山の方々はかやぶき屋根こそ風土が育んだ文化資産であると、
強い誇りを持って大切に守っていることは、ひと目でわかりました。
感動を伴った美しい風景がそこにあったからです。
2つのかやぶき屋根の差、
時代遅れの無価値なものと見るか、文化という価値を持ったものと見るか
その差はあまりにも大きいことを知りました。

美山のように、鎌倉の家々の方は文化の大切さを充分認識しています。
日本家屋はすみずみまで清められ、
塀越しの木々や草花は整備され、道にはゴミひとつありません。

観光客は伝統の美しさに感動し、文化意識の高さに魅了されるのです。


※鎌倉の路地で見つけたホトトギスです。
  次ページでこの花の彩色の仕方を解説します


ぬり残し・はみ出しぬりはしない


彩色の第一歩はぬり残しやはみ出しぬりをしないことです。それらにより絵が稚拙になり上達大きくを妨げるからです。
逆からいえば、ぬり残しやはみ出しぬりをしないだけで一挙にステップアップした絵が描けることになります。
ただし、絵のテクニックとして、意図してぬり残しやはみ出しぬりをする場合がありますが、初心者の方はしっかりぬり残しやはみ出しぬりをしないことを出来るようになってはじめてチャレンジしたほうが賢明です。


左が素になった写真
右がその線画です。
原寸大の線画が別添えされていますからぜひチャレンジしてください。
はみ出し塗りは絵を稚拙にします。
はみ出さないように塗れば、なれないうちは多少時間もかかり、絵の具が乾き、色ムラができる場合もありますが、気にしないほうがいいでしょう。
ぬり残しは背景をぬる時に生じる場合があります。
その場合のモチーフと背景の間の白いぬり残しは、とても気になると思いませんか。
絵では細めの筆を使いますが、より細かい彩色の場合は面相筆を使用し、時間をかけてていねいにぬりましょう。
ぬり安いように画法紙のほうを動かしてぬるのがコツのようです。
絵の具がはみ出た場合、最後に白色で修正します。
水彩絵の具では、最後の修正以外に使いません。
明るい色を出すために白を混入してはいけません。そのような場合は水を入れることにより調整します。
絵が完成しました。

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