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海岸は発見がある
から楽しいのです

湘南はすっと海岸線に面しています。
海岸線は海の端と陸の端が接していることになるわけで
端と端との接点には面白いモチーフやドラマチックなモチーフがたくさんあります。
そのためずいぶん海をモチーフにした絵を描いてきました。

湘南を象徴する風景のひとつが、葉山にある海辺のレストラン。
この風景はいろいろな人が絵にしてきましたが、
私も湘南の風景を描くからには
どうしてもこの風景を描きたく、何度もこの地を訪れたのですが、

これまでの絵とは違う新しい切り口を発見することが出来ず、
残念ながら絵筆を握るまでには到りませんでした。

ある日、目的のレストランを見渡す小さな浜辺の奥に、
ボートが並べられているのを発見しました。

ポート越しにレストランを見ると、
これまで悩み続けてきたことを吹き飛ばすような
面白い風景が目に飛び込んできました。

海岸には面白いモチーフがたくさん潜んでいます。
それを探し出すのがなんとも楽しいのです。

私も掘り出しモノを探しているのです!



主役をひとつに絞る


絵を描く前に、以下のことをしっかり決めることが必要です。
  
@なぜこの風景を描くのか→Aなぜこの風景に感動したのか?→Bその感動をどうしたら表現できるか?→C感動の素となる主役と主役を補佐する脇役を決める→D感動を邪魔しているものを消し去る・・・


主役が定まっていない絵や、主役がいなく脇役だけの絵は、魅力のない絵になり人を引き付ける絵には決してなりません。
今回の課題はBの行程、主役と脇役をしかり決める学習です。

今回の課題の素となる写真です。
この写真は主役は背景のレストランなのか、手前のボートなのか迷っている映像ですね。
1枚の写真を素に2枚の絵を描きました。
左の絵は写真からリアリティを意識して描いたものです。レストランよりボートのほうが主役になっているようです。
右の絵は、背景のレストランを主役としてしっかり、手前のボートを脇役として弱く描きました。
以下、右の絵の描き方のご説明します。
再度挑戦する絵は、背景のレストランを主役に、手前のボートを脇役にすることにして開始しました。
といっても線画の段階ではわかりませんね。

主役をよく描きこみ、脇役は色を塗らないことでその差を表現することとしました。

主役と脇役のバランスが必要などのデリケートな絵は、黒色で描いた後、中心となる1色だけで描いたほうが、微妙な調子を調整することができます。
今回は幻想的な絵にしたいこともあり、青で描くこととしました。


ここまでくれば完成が間近ですね。

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