コ ン ク へ の 旅
このスケッチ画は、南フランス・コンクの旅の印象から描いたものです


 コンクは人口300人ほどの小さな村でした。周囲を深い森に囲まれて、タイムスリップ
 したかのように 12世紀の佇まいがそのまま残っていました。

 なぜこの村が時代の進歩から取り残されてしまったのか。が、私の最初の疑問でした。
 しかし、村の空気が体の隅々までいきわたると、その疑問が解け始めてきました。私た
 ちが追い求めてきた豊かさの尺度とは違うけれど、この村の存在そのものが圧倒的に
 「豊か」なのです。 村と村人の営みが自然の中に完全に溶け込み、自然の一部と
 なっていました。そしてなんといっても美しいのです。 それを「豊かさ」 といわなければ
 何というのでしょう。
 コンクは時代から取り残されたのではなく、変える必要が全くなかったのです。

 私たちこそ「豊かさ」を追い求め、右往左往する「貧しき人々」に映りました。もっといえば、
 私たちが求める「豊かさ」は、本当の豊かさなのか、疑問すら感じざるをえませんでした。


 
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スケッチ画で描く 南フランス コンクの旅