上の写真は鎌倉・大町の住宅地を散歩中に出会った風景で、ごくありふれた風景のひとつとして、
軽い気持ちでシャッターを押したのですが、
それからずいぶん時間を経て、絵の素材探しに過去の写真をひっくり返している中で、この写真を発見し、
もしかしてこの写真から面白い絵になるかもしれないと思い、取り組んだものです。

写真と絵、どこが違うかおわかりですか。


 
 
 

まず電柱をなくすことで、風景が劇的に変化し、心が引き込まれるような世界観が生まれることを信じたのです。
そして、この絵の主役は屋根の瓦ですから、質感を高め、存在感を強め、
木々の緑を使い分けて描くことにより遠近感が生まれ、絵に空気を描く(これが風景画でとても大切)ことができたような気がします。

可能性のある写真を選び、その中から感動のエキスを引き出すのが、絵を描く喜びだと思っています。