さっと描く8 主役を引き立てる

絵を描く上でとても重要なことは、描く前の真っ白い画用紙を前にしてこれから描くであろう絵のコンセプトを構築することです。
具体的にいえば、「何を描くか」をしっかり把握することです。別の言い方をすれば「絵の主役」をいかに引き立てるかの方策をプランニングすることです。
事前にそれをおこなうか否かにより絵の完成度が違ってきます。しっかりプランニングされた絵には主張が生まれ、訴えかける力が生まれます。


ここをクリックすれば絵を描くための原寸写真が出ます。


収穫の秋、一休みしている農夫を主役として描こうと思います。
この絵のプランニングは、主役である農夫を強調する方法とし、背景は極力弱く描くことにしました。
そのため第一色のモノクロでも背景の最も暗い部分でも手前の人物の30%程度に淡く描きました。


最初の彩色は背景から塗ることとしました。
素地の色をさっと一色だけ塗っただけですが、ほぼ背景の彩色を終了とすることにします。まさにさっと描くことになりました。






主役の農夫を強調するため、ハイライトと暗い部分にメリハリをつけました。それだけでなく絵全体が緑系統の色でまとめ、その反対色であるシャツの赤を意識して描きました。
主役の農夫がずいぶん強調されましたね。

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